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201411/05

演劇の世界なら何をしてもいい。何にだってなれる

俳優/演出家 神山一郎さん VOL.2


役者として、演出家として、また演劇を活用したワークショップの講師として、「演技」をキーワードにさまざまな活動を展開する神山一郎さん。今回は演技の“日常生活での活かし方”について語っていただきました。明日からは一味違う自分に出会えそう、そんな気分になりますよ。

演劇は現実の練習になる

演劇って、何でもありなんです。演劇の世界では人を殺してもいいし、泣かせてもいいし、殴ってもいい。監督の「はいOK!」の声がかかれば、すべてがチャラになる。でも日常では行動の後のリスクも考えますし、そういうわけにはいかないじゃないですか。たとえば日常で、かわいいなと思う人がいてもまさかいきなり抱きしめたりはしない。でもそれが演劇なら、抱きしめちゃってもいい。抱きしめた後に何が起こるかを、バーチャルの中で体験することができる。ビンタされるかもしれないし、怖がられるかもしれない、意外にも喜んでもらえるかもしれない。いわば現実の練習だと考えてください。

「ちょっと試しにやってみる」が演技なら可能

役者でもない人が、演技を通して“表現者”となる必要はないと思います。ただ現実では難しいことを「ちょっと試しにやってみる」、この感覚が大切。普段あまりしゃべらない人が、「よくしゃべる人」を演じてみる。そこで周りがひいちゃうなら、やっぱりおしゃべりが向いてないと判断すればいいし、意外にもうけたなら、自分にもエンターテイメント性があるのだと判断し、日常で少しずつしゃべるようにすればいい。同様に日常ではできないような、怒り狂う、泣き叫ぶ、なんかも演技でやってみると、日常での感情表現に幅が出ることもあります。人生を、人間関係を、何度だってやり直せる。だから演技はすばらしい。役者だけのものにしておくのはもったいないです。

生きていくうえで「演技」は必要なスキル

私は「演じる」ということをもっとポジティブにとらえていただきたいです。目上の人と話す、面接を受ける、そんなときは多かれ少なかれ演技をするもの。人によって態度を変えるのは良くないとする風潮がありますが、そんなの変えて当然です。好かれたい、有能な人間だと思われたいといった「目的」があるのなら、「手段」として演技があるのは、いたって普通のこと。面接、デート、打ち合わせ……自分の行動や発言が、今後を決める場面はたくさんあります。そんなときにまったく別人になるのではなく、自分のより良い面で接することができるよう演技に慣れておくのは、必要なスキルだと思います。

(VOL.1 に戻る)

(文・NOIZ編集部 杉本良子)

【編集後記】

「ありのままの自分」がいいとされる風潮のなか、「演技してもいい」と言い切る神山さん。この二つ、対極にあるようで、実は同じことなのだと、神山さんのワークショップに参加すると実感します。というのもどれだけ別人になったつもりでも、自分という枠を超えることはなかなかできないものなのです。ダラダラと時間をかけた自分探しはもう終わり! 演劇のワークショップに参加したら、一発で「自分」が見えてきますよ。


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