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201412/25

【VOL.2】結局、最後は“対話”。それを省いたら何も生まれない

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」 古賀孔士さん(アテンド)


時間が経つほどに、インタビューはより深い場所へ。「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」でアテンドを務める「こがっち」こと古賀孔士さんと、NOIZ学生部編集長の対話に耳を傾けてください。

インタビューに笑顔で対応する古賀孔士さん

「異文化交流」だと考えてほしい

小松崎 “特別扱いされたくない”とこがっちは何度も言っていますが、ただ僕たちにとってはもっと知りたいと思う部分がたくさんある。実際、どこまで質問していいのか迷います。

古賀 それはハンディキャッパーとして特別扱いされたくないという意味であって、“見えない”という感覚を持った人間という意味ではどんな質問でもどんと来いですよ! 見えない分、当然、感覚だったり感性だったり、違う部分は確かにあると思うので。でもそれって日本人なのか、ヨーロッパ人なのか、っていう人種の違いとあまり変わらないのかなって考えています。

小松崎 なるほど、確かに。感覚的には異文化交流に近いような気がします。好奇心でいろんな質問をしていいんだなって気が楽になりました。ではこれは本当にただの興味なんだけれど、夢は見るの?

古賀 よく聞かれる質問ですね(笑)。見ます。匂いとか温度とかを覚えています。

小松崎 へえ! じゃあついでにこれも以前から興味あったことなのですが、恋するときはどういう風に好きになるの?

古賀 それもよく聞かれる(笑)。私は“一目ぼれ”をしやすい性格なので、声とか雰囲気とか、話し方とかですぐ好きになっちゃいます。不思議なことに、見える友達と話してみると、意外と“かわいい”と感じる女の子が一致したりします。

小松崎 情報を収集する手段はどうしているんですか?

古賀 インターネットが主です。紙媒体が主だった時代は情報を読み取るのがとても不便だったようですが、インターネットなら画面を読み上げてくれるソフトがあり、見える人と同じフィールドでリアルタイムに情報を仕入れることができるので役立てています。大学の授業でも先生から事前にメールでデータをもらっておくことで、周りとタイムラグがないよう工夫しています。

小松崎 テレビはあまり見ない?

古賀 テレビではたまに解説放送を利用して映画を見たりしますが、基本的にはラジオ派。じつは私、インターネットラジオをずっと続けていて、そこで鉄道のこととか旅のこととか情報を発信しているんです。

本音のトークも!

旺盛な好奇心は両親の育て方のおかげ

小松崎 こがっちのその行動力はどこで培われたんですか?

古賀 やっぱり両親の影響が大きいのかな。両親が盲学校ではなく、普通の小学校へ進学させてくれたのがきっかけだと思います。そこで人との接し方を覚えることができました。またことあるごとに両親は、私をいろいろなところに連れて行き、たくさんのものに触れさせてくれた。いまでも好奇心が旺盛で、それに行動力が伴っている理由は、両親がそのように育ててくれたからだとしか言いようがないですね。

小松崎 しかも今は一人暮らしでしょう?ご両親は相当、こがっちを信頼しているんですね。

古賀 出身が福岡で、高校は東京で寮生活。信頼されているのなら、それは嬉しいことだと思います。

何事においても最後は人との対話

小松崎 日常生活や旅行中、目が見えないことでどうしても不便になるケースはありますよね。そんなときはどうするの?

古賀 何事においても最後は人。ダイアログの暗闇でもそうだと思いますが、人に聞けばすべてが解決するんです。人と話すことで見えてくるものはたくさんあります。

小松崎 いまは大学や会社でもコミュニケーションが苦手という人が増えていますし、何でもメールで済ましちゃうことも多い。でもこがっちと話していると、やっぱり最後は言葉なんだって感じます。

古賀 ダイアログって“対話”って意味だけれど、人と人が歩み寄ってはじめて対話って生まれる。歩み寄りがないとただの会話になったり、一方的に話しかけるだけになったり。みんなもっともっと対話すればいいと思います。ちょっと声を掛け合うだけで、いろんな壁がなくなっていくような気がしませんか。

小松崎 人と人、違って当たり前なんだから、その違いを認めたうえで対話する。他者への理解ってそこから始まるんでしょうね。今日はありがとうございました! とても楽しかったです。

(取材/学生部編集長 小松崎欽一、文/杉本良子)

VOL.1はこちら

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【ダイアログ・イン・ザ・ダークとは】

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、
暗闇のソーシャルエンターテインメントです。

参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、グループを組んで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)のサポートのもと、中を探検し、様々なシーンを体験します。その過程で視覚以外の様々な感覚の可能性と心地よさに気づき、そしてコミュニケーションの大切さ、人のあたたかさを思い出します。

世界約30か国・約130都市で開催され、2011年現在で700万人以上が体験したこのイベントは、1988年にドイツで、哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれました。日本では1999年11月に初めて開催され、現在は東京・外苑前の会場にて常時開催中。これまで約14万人が体験しています。

ダイアログ・イン・ザ・ダークの詳細はこちら

編集後記

視覚しょうがい者の方のインタビューとなると福祉色の濃い内容になるのかな? と思っていましたが、ふたを開けてみると、考えていたよりずっと“普通の”、楽しく、夢にあふれた学生インタビューでした。「一目ぼれする」という言葉にはやられました(笑)。NOIZ学生部編集長の初々しい取材姿もぜひチェックしてください。


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