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201501/13

「自分自身で夢を掴み取った喜び」が「明治大学 ANCHORS」を輝かせた!

明治大学 ANCHORS 代表 小林圭太


「男子チア」って知っていますか? 今回紹介するのは高校生の時、男子チアの魅力に取りつかれ、老舗チームがある早稲田をめざし、受験勉強に励んだ小林圭太君(2年)のストーリーです。浪人までしたけど結局早稲田に届かなかった小林君。入学した明治でとった勇気ある行動とは。 そして学園祭で行ったサプライズとは。男子チアの魅力とともにじっくりお伝えします。

明治大学 ANCHORS 代表 小林圭太君

「男子チアをやる!」明確な目標を胸に挑んだ大学受験。しかし結果は……。

大学受験を控えた高校3年生の時、何気なく僕の目に飛び込んできたのは、2004年に結成された、日本で初めての男子チアサークル「早稲田 大学 SHOCKERS」の映像でした。その瞬間、僕の中で何か動くものがあり「早稲田に入って、僕も男子チアをやるぞ」という大きな目標ができました。 言い方は悪いですが、一見チャラチャラしたように見える大学生が真剣に一つのことをやり遂げ、涙している姿に心を奪われました。演技を終えた達成感が僕に もまっすぐと伝わってきて、その瞬間に至るストーリーまでもが容易に想像できるほどのインパクトでした。この瞬間のためにこの人たちはずっと頑張ってきたんだろうなって。

憧れの大学生活を鮮明に描きながら、浪人が決まった時は正直きつかった。でももっときつかったのは、一浪の末夢が叶わな かった瞬間でした。両親に無理を言って浪人を許してもらい、予備校の費用も申し訳なく思っていたため、その時点では不本意ながら第二希望の大学に入学することにしました。

入学後、どうしてもあきらめず、SHOCKERSのもとへ何度か足を運びました。でも選手は早稲田大学の学生のみというこ とで、どうしても入会は認められません。「どうしようか。これから大学で何をしようか」そう悩み続けているうちに、やっぱりあきらめることはできないと、 改めて自分の気持ちを確認し、「よし、ここ明治大学で自分の手で男子チアサークルを作ろう!」と決意を固めました。

明治大学で自分の手で男子チアサークルを作ろう!

最初にジャンプする怖さは僕も同じ。みんなで創り上げた「明治大学 ANCHORS」

「男子チアサークルを作る!」と意気込んだもの、そう簡単ではありませんでした。メンバー集めには本当に苦労しました。今は14名ほどのメンバーがいますが、2年生の4月の時点で4人しか集まっていませんでした。

「男 子チア」って想像できないのか、いくら新歓でビラを配っても、僕のことを知らない人は見向きもしてくれません。想像しづらいからこそ、まずは僕が信頼して いる友だちに思いを伝えていきました。幸いそれに共感してもらい徐々にメンバーが増えていきました。そうして1年生も数人ですが、メンバーに迎えることが できました。

僕がまずみんなに伝えたのは、「僕自身も初心者」だってこと。僕自身が一からのスタート。だから一緒に創っていこうと。最初に ジャンプする怖さだってみんなと一緒。メンバーを集めながら思ったことは、「目標が定まり、やりたいという気持ちは何にも勝る」ということでした。だか ら、周りに流されるのではなく、自分がやりたいことを見つけてから動いても遅くないはず。そう信じていました。

もう一つ、チアの良いところ は、身長や体重、そして運動神経など、チアをやるうえでは何もハンディになりません。それぞれの役割にあったポジションが用意されています。そして、自分 の役割を果たすことで、それが自分の自信にもつながっていく。そんな風に一人ひとりとコミュニケーションをとりながら「明治大学 ANCHORS(アンカーズ)」は始動しました!

自分の役割を果たすことで、それが自分の自信にもつながっていく

「浪人してまでやりたかったこと」を両親に伝えるため、学園祭でサプライズ演技!

実は、大学で男子チアチームを作ると決めてから1年半、男子チアをやっていることを、両親にはずっと黙っていました。それは、浪人時代サポートして くれた両親に、どうやって自分の感謝の思いを伝えようかと思うなかで、演技という「カタチ」として感謝を伝えたかったから。そのため、初舞台となった大学 2年の学園祭当日、両親にうまく理由をつけ、地元の愛知県からはるばる東京まで来てもらったのです。

当日、雨で公演中止が危ぶまれるなか、 ステージに立ったその瞬間雨が止むという幸運にも恵まれ、両親の見ている前でサプライズの演技をすることができました。「これが、僕がみんなと一緒に創っ たチームだよ。浪人までしてこだわって、やりたかったことはこれだったんだよ!」という思いを、感謝の気持ちとともにしっかりと伝えることができたと思い ます。

公演の後、そのまま愛知に帰る父に一通の手紙を渡しました。そこには、その時見てもらったパフォーマンスだけでは伝えられない感謝の 気持ちを綴りました。そんな父が後日送ってくれた返事には「サッカー、駅伝、ハンドボールなど、いろいろな場面で輝くお前の姿を見て、親として幸せを感じ ていた。しかし、このあいだほどお前がまぶしく見えたことはなかった。決して人から与えられた喜びではなく、自分自身で夢を掴み取った喜びがお前を自然と 輝かせたのだろう」と書かれていました。小さいころから厳しく、あまり褒めない父からのこの言葉が本当に嬉しかったです。

手紙の最後には、お父さんにもこれから実現したい夢があるということが記されていました。いま父の夢が何なのかすごく気になっています(笑)。

これが浪人してまでやりたかった小林君の夢の一部

信頼関係や友情があるから、僕たちはきっともっと高く飛べる! 男子チア最高!

もし、早稲田に受かっていたら、それはそれで別の充実した大学生活があったと思います。でも、学園祭での初演技の後に感じた気持ちは、おそらくここ明治大学に入って、一から様々な困難をクリアしてみんなで創り上げた結果だからこそ得られた貴重な瞬間だったと思っています。

男 子チアは、ほかのスポーツ以上に仲間との信頼関係が大切。いつもそばで、お互いに触れ合いながら、すぐ近くで声を聞いたり、目で合図をしたり、息使いを感 じたり。今まで自分が取り組んできたスポーツにはこういう感覚はありませんでした。それは、チアをエンターテインメントとして見ている側ではなく、やって みて初めて感じたことです。常に支え合って演技を創る。その過程が僕はたまらなく好きです。信頼関係があるから、空へ向かって高く飛べる。一緒だから不安 な一歩を踏み出せるんです。

誰かが失敗した時、その理由を本人だけではなく、周りにもなかったみんなで真剣に考える。そんな空気が僕たちに はあります。練習はもちろん、演技の編成を決めたり、曲を決めたりというコンセプトをシェアし、一緒に創り上げるという過程を経て同じ時間を過ごしてきた 仲間だからこそ生まれた信頼関係や友情をこれからも大切にしていきたい。いま本当にそんな気持ちでいっぱいです。

(取材・文/NOIZ編集部 丸山 剛)

男子チアは、ほかのスポーツ以上に仲間との信頼関係が大切

編集後記

青春。そんな古臭い言葉も、小林君を前にするとなんだかキラキラと輝いてくる。まさに今を楽しみ、苦しみ、前に進む一人の大学生。そして彼を支え、一緒に夢をかなえた仲間たち。大学って本当に夢をかなえる場所なんだって思いました。これからのさらなる飛躍が楽しみです。


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