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201502/09

「文化になろう」 「文化をつくろう」 大学生の憧れの場所となる「文化祭」をつくりたい。

AGESTOCK実行委員会 元代表(2014年) 中川建


「学生の熱意は、限りない可能性を持つことを証明する。」という理念のもと、イベントやフリーペーパーを通して、学生たちの熱意を伝えるべく、さまざまな挑戦を続ける学生団体「AGESTOCK実行委員会」。この日本一の規模を誇る学生団体の2014年度の代表を務めた中川君とはどのような人物なのか。元代表としての本音と、活動を通じて辿り着いたキャリア感を赤裸々に語ってもらいました。

中川建君

高校時代から見据えていた、エイジストックを柱とした大学生活

高校生のとき、文化祭実行委員を務めていたんですが、文化祭の準備や企画に携わるこの活動が楽しく、当日のイベントでのお客さんのリアクションを見て感じるのが好きでした。ちょうどそのころ、先輩を通して「AGESTOCK実行委員会」(以下エイジストック)の存在を知ったのですが、「合同学園祭」と銘打っていたことと、文化祭などのイベント企画を大学でも続けたいという思いがマッチし、エイジストックでの活動を中心とした学生生活を送りたいと考えるようになりました。

実際に大学生になり、エイジストックに所属したての頃は、代表になりたいという思いはなく、自分ができる仕事をコツコツとやろうと考えていました。当時の先輩があまりにも輝いて見えていたということもあり、自分はとても及ばないと思ったからです。しかし代表を目指そうと考え始めた2年生からは、エイジストックに費やす時間が増え、大学生活の8割はエイジストックに捧げたと思っています。

国技館で開催された「AGESTOCK2014」

学生団体はちょっとしたビジネス体験の場である

こうした経験を通して、学生団体は意外とビジネスに通ずる部分が多いことに気づきました。メインイベントである“AGESTOCK 2014”を両国国技館で開催したのですが、企画・運営はもちろん、集客やゲストのキャスティング、会場である両国国技館を手配することや当日のステージ作りをどこの企業にお任せするかなど、すべて学生で決めています。もちろん、資金面については学生だけでは賄えるはずもなく、さまざまな企業の皆さまに協賛していただいています。これらを可能にしているのは、エイジストックに所属する400人を超える学生たちです。エイジストックは局によってやるべきことが確立されているので、各局には会社でいうと部長のような職が用意されています。しかしながら、日本一規模の大きい学生団体ということもあってか、新しいことを挑戦するときにはスピード感が伴いませんし、奇抜なアイデアは通りにくいという事情もありました。こうした点に関しては、世間一般でいわれる大企業のイメージに近い性質があるのかもしれません。いまお話したように、学生団体には企業を連想させる、数々の模擬ビジネスの場が用意されています。

さまざまな学生パフォーマが参加

エイジストックの活動で確信した堅実なキャリア感

こうした学生団体の代表を務めていると、企業家思考があるとか、ベンチャー思考があると思われがちなのですが、そういうわけではありません。もともと将来は、マスコミ業界で働き、そうした環境の中でいかに評価されるか、上り詰められるかという、堅実なキャリア感を持っていました。これはエイジストックの活動を通じても変化していない部分です。マスコミ業界の中でも、テレビの分野であれば番組を制作して視聴者に届ける、広告の分野であれば社会に対してメッセージを伝えるという仕事は、過去の文化祭実行委員やエイジストックでの活動と共通点が多いように感じ、いつしか自分の本当の仕事にしたいと考えるようになりました。文化祭やイベントなどでもお客様の反応を見るのが好きでしたが、マスコミの世界では、お客さんの反応が視聴率や、購買意欲などといった「数字」となって反映される点に関しても興味とやりがいを抱いています。エイジストックは一見華やかな団体に思われることが多いのですが、実態としては当日の来場者を喜ばせるために地味な仕事を多くこなしています。マスコミ業界でもクライアントであるお客様の立場に立った、縁の下の力持ちになれればと思っています。

感動のフィナーレ

いつしか「文化」と呼ばれるような存在へと

エイジストックのイベントでパフォーマーとして出演してくださる学生の皆さんとやり取りするのも、エイジストックの仕事なのですが、ゆくゆくは“AGESTOCK”が、そうした学生にとって「憧れの場所」になればと思っています。高校球児が甲子園を目指すように、学生ランナーが箱根を目指すように、ダンスやバンドチームを組んでいる学生にとって、“AGESTOCK”を「自分たちが目指す場所」にしたいという気持ちは今も変わっていません。ここには、目指すべき場所を用意することで、そうした分野をいっそう盛り上げたいという思いもあります。実は両親を“AGESTOCK 2014”に招待したのですが、とても楽しかったという感想をもらいました。特に父に関しては、中学校、高校の部活の頃から頻繁に応援に来てくれていたということもあり、「大学に入ってからもこんなふうに息子を応援できる機会があるとは予想していなかった」と非常に喜んでくれました。自分でいうのは少しおかしいのですが、エイジストックの活動を通して、親が子どもの成長を感じてくれるのはとてもうれしいですね。僕が代表の頃にずっと、口をすっぱくして言っていたのは「文化になろう」、「文化を作ろう」ということでした。出演したパフォーマーにとっては目指すべき場所として、彼らの親にとっては子どもの成長を見られる場所として、エイジストックが今後も成長する中で、参加してくれるすべての皆さんにとって「文化」と呼ばれるほどの大きな存在になっていくことを願っています。

(取材・文/NOIZ学生編集長 小松崎欽一)

最後の挨拶を行う中川君

編集後記

エイジストックの理念となっている「学生の熱意は、限りない可能性を持つことを証明する。」という言葉通り、学生団体の可能性を改めて感じました。数千万円のお金を400人もの学生が組織を作って動かす。これは夢物語ではなく、現実に起こっていることです。中川君が語った、先代から伝わる「文化を作る」という思い。これが「文化を継承する」という思いに変わる日は、もうそこまでやって来ているのかもしれません。


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