キャンパスの外にある学びを探しに!
よく学び、よく遊ぶためのWEBマガジン

201409/30

「5年生」になると決めた私たち。1年間の「ギャップ」から何を学ぶのか?

NOIZ学生編集部


GAP YEAR (ギャップ・イヤー)とは、欧米諸国において、高校卒業から大学入学までの期間を指しますが、日本では「休学期間」を指すことがほとんどです。大学の秋入学が導入されると、まさに日本でもギャップ・イヤーが生まれるわけです。皆さんは大学4年間にもう1年好きなことができる期間があったとしたら何をしますか? NOIZ学生編集部でも3名が休学を決めています。各々が語る各々の1年。ぜひご参考に。

NOIZ学生編集部の7人中3人が休学を予定!

学外に出て、新たな視点と価値観で学びたい

江花 海外留学の目的は人それぞれだと思いますが、僕は「社交力」を高めたいと考えているため、大学の正規課程に1年間交換留学することにしました。大学の専門的なクラスにいきなり入っていくわけなので、語学はもちろん、教養ある相手と対等に話せる知識や、会話の引き出し方などを、実践的に修得していきたいですね。社交する力とは、サークルや友人など同じ価値観を持ったコミュニティで発揮されるものじゃなくて、違う背景や価値観、年齢、人種、いかなる人とも礼儀をわきまえ、相手を尊重した上で「対等に」話すことのできる力です。これは、国際交流に限ったことじゃなく、例えば、社会人の方と話す力であり、初対面の人と共通点を見つけ出し、会話を引き出していく力です。留学といえば異なる価値観やバックグラウンドを持った人との出会いの連続。そういった意味でも留学はこの目的を達成するにあたって、とても良い道なんじゃないかと思います。

飯田 私は、ドイツ文学を専攻していますが、講義ではドイツ語よりもドイツ文化や歴史に重点が置かれています。そのため、日本語の文献で学んでいたんですが、文献を読み、知識を積み重ねていくうちに、そこに書かれた内容の、ちょっとしたニュアンスの違いが気になってきました。根本的に言っていることは同じなんだけど、読者の解釈によって内容が異なってしまうのではないか? という疑問を感じはじめたんです。そして、文化や歴史を学ぶには、現地の言葉を学ぶことが必要だと気づき、ドイツ語圏に行って、言語と文化を学びたい、という気持ちが高まり、いま準備をしているところです。実は、最初は英語もままならないのに、いきなりドイツ語を学ぶのは難しいと考え、英語圏への留学を考えていたんですが、日本国内で英語を修得した先輩に何人も出会い、自分が努力すれば国内でも英語を伸ばせる方法はいくらでもあるのだと感じました。その時、「私は英語が学びたいだけで、英語圏の文化を学びたいわけではない」と気付き、自身の興味のある分野を学びたいと思い、ドイツへの留学をチャレンジすることにしました。

小松崎 二人は海外での学びを選んでいますが、僕はこの9月から休学中で、国内での学びに挑戦しています。つまり、大学のキャンパス外に留学中です(笑)。入学当初から大学生活に期待していたので、意欲的にいろいろな経験をしようと心掛けていました。1年生の頃は漠然と「何を経験するか」に重点を置いていたんですが、2年生になり「経験から何を身につけるか」ということを意識するようになりました。そして3年生の夏、インターンシップ先で、「学外での学び」をコンセプトとした新規メディアを開設するから、興味があるなら携わってみないかというお誘いを頂きました。それがこの「NOIZ」です。2年生の頃に、新聞の読み比べをしたことがきっかけで、記者や編集者の世界に興味を抱いていた私にはまさに願ってもない機会でした。そのためNOIZの学生編集長として、このサイトの編集やPRに挑戦することが一つの軸となっています。振り返ってみると1、2年生の頃の大学生活は、休学という道を選択する上でどれも大切な過程だったのではないかと思っています。

江花松樹(NOIZ学生編集部)

4年間で卒業してしまうなんてもったいない!

飯田 大学4年間に在学しながら留学することも可能ですが、それではもったいないと感じています。私が大学2年生になってから、大学5年生の人と関わる機会が多くなりました。英会話講座で出会った先輩は、休学してオーストラリアに留学していました。当時の私は大学5年生という響きに違和感を覚えていましたが、その方の話を聞いて、ギャップ・イヤーという自由に過ごせる1年が手に入るのは、とても魅力的なことだと思いました。その後、グローバルリーダー育成事業に参加し、参加者の2割程度が休学経験者または大学5年生という現実を見て、休学の普及に、驚きを隠せませんでした。そこで私は休学制度に魅力を覚えたと同時に、ギャップ・イヤーを活用しないでこのまま卒業していいのかという焦りもありました。1年間期間が延びるだけでもできることはたくさんあります。私が話を聞いた休学者の皆さんは、それぞれが目標を明確に設定しており、それを達成していました。たかが1年間かもしれませんが、大学時代の1年間は大きなものだと思います。

小松崎 学部で学んだ2年間は「観光学」という学問の可能性の広さもさることながら、さまざまな縁があって魅力的な人びとに出会い、自分の知見を広げられるという意味でとても充実していました。しかしながら、そのまま社会に出ることにはどこか違和感を覚えていて、そのためか、自分の中での将来像は霞んだままでした。そうしてなんとなく流れに身を任せて進級し、大学3年の春学期にもさまざまな出会いを経験しました。その中でNGO・NPOに携わる道を選んだ同年代の学生と会ったことや、著名な起業家の方のお話を生で聞く機会もあり、キャンパスの外に無限に広がる世界の存在を直に感じるようになりました。そうした方々に共通していたのは、「今の自分に素直になる」ということで、何にも縛られず我が道を生きるという自由な生き方を知り、僕自身も今まで胸の奥底にあった感情が溢れるように「休学したい」という思いが溢れてきました。直感で「今こそ休学しなければならない」という気持ちに支えられた部分も大きいかもしれません。

飯田夕紀子(NOIZ学生編集部)

目的だけではなく、どうやって達成するかまでを綿密に計画

飯田 「最底辺」というドイツ映画を大学の講義で題材にしたことがありました。そこに映し出されていたのはドイツで働く、移民の過酷な労働現場でした。私はその映像を見てとてもショックを受け、もっと知りたいと思うようになりました。ドイツでもその映画は反響を呼び、9年前に移民法が確立され、移民に対しての教育や制度を確立しました。高齢化、そしてグローバル化していく国内においては移民問題、そして異文化理解の分野は必ず話し合われる議題になるでしょう。そこで私は制度的な立場ではなく、異文化理解という観点から移民問題を解決する方策をドイツでの留学を通じて模索していきたいと考えています。

江花 「留学に行ったけど特に何も得ないで帰ってきた」という話をよく聞きます。そういった事態を避けるためにも「この経験から何を得たいのか」「そのためには何をすればいいのか」「その経験を帰国後どのように活かせるか」といったことをできるだけ具体的に考えることが必要だと感じています。同時に日本の文化や政治、さまざまな問題についても勉強して、現地の学生や他国の留学生に伝えることも、自身の留学を充実したものにすると同時に、留学生の義務だと思っています。そのため私は「コミュニケーション力を伸ばす」という目標はありますが「そのためには何が必要なのか」といった細かい点にまで落とし込んで考えることが必要かなと思っています。

小松崎 1年という長期インターンシップを通し、自ら関心のあるキャリアの世界で通用する人材となるために、日々自分磨きをしています。当初は漠然と1年間を何にも縛られること無く自分の思うままに過ごしたいと考えていましたが、気づいたときにはこの1年間で達成したい目標を持つようになりました。自分の関心のある言語・文化圏で特別な経験をすることを、そのうちの一つの目標に掲げています。例えば、中国を1周したり、スペイン語圏で語学学校に通ったり、英語圏でワーキング・ホリデーに挑戦したり。こうした夢を持つだけで活力を持ちながら日々の生活を過ごせている気がします。この1年間で進む道を、挑戦することを、全て自分の意思で決めるという経験は、間違いなく僕の人生にとって大きな糧となるでしょう。留学という選択をする人は、決して語学習得だけのために現地を訪れるのではない。最近になってこの意味がよくわかります。およそ1年間、日常の世界から身を離し、自らの一つ一つの選択に責任を持つということは、それだけで人を逞しく成長させるような気がします。

小松崎欽一(NOIZ学生編集長)

海外での学びを日本に還元できる人材に

飯田 留学先での学びを日本の社会に還元したいと考えています。1年後ではなく、ゆくゆくの目標ですが、在日外国人向けに日本語教師として、言語だけではなく、日本社会で暮らしていくための適切なサポートをしていきたいと考えています。以前トルコへ行った際、ホストシスターに「日本人は犬を食べるって本当?」と聞かれたことがありました。その際、世界的に見れば日本は「日本」としてではなく「アジアの中の一部の国」という認識なのだと感じました。もっと世界に日本を知ってほしい! と考えましたが、まずは私自身がきちんと日本のことを知らなければ、と思いました。そこで留学を通じて外から見た日本の姿も学んでいきたいと思います。そして、日本に興味をもってくれた外国人と日本とをつなぐ活動を行い、日本国内から日本のファンを増やしていきたいと思います。

江花 僕も同感です。留学で得た経験や知識は、できるだけ日本に還元したいなと思っています。日本が抱える少子高齢化などの課題も、自分の専門で得た知識だけではなく、留学先での経験から考え、アプローチすることができたら、より深い考察ができるのではないかと思っています。また、自分のキャリアを考える上でも、身につけた能力や価値観を活かせるような企業に就職することを考えています。

小松崎 現状ではインターンシップを通じた取材の中で、自分が覚えた衝撃や感動をそのままの熱量で、第三者に発信していく術を学び続けていきたいと考えています。更にいえば、取材対象を国内だけに限定するつもりはなく、伝達のために用いる言語を日本語のみにするつもりもありません。また、インターンシップ以外でもさまざまな人に出会うため、多種多様なイベントに参加していくつもりです。今は日本に潜む、多様性の見つけ方を自分の中での一つのテーマとして定めています。そして1年後、多様性とは縁遠く均質的な国と呼ばれる日本で、自分次第でいくらでも未知の世界にと出会うことができ、自分が活躍できる場を無限大に広げることができ、さまざまな価値観に触れられることを証明したいと考えています。繰り返しになりますが、そうして得た経験はキャリアというより、自分の人生の一つの成功体験として、今後生きる上での大きな糧になると確信しています。自らに素直に生きた結果、学生にしてリアルなメディア運営のノウハウを身につけられる貴重な業務に携わることができたように、結果はいつも信念を貫くものには、自ずとついてくるのではないかと信じています。

(司会・テキスト NOIZ編集長 丸山 剛)

【座談会を終えて】

一昔前は休学に対するイメージはあまり良くなかったような……。休学してまで留学したくない。そもそもお金がもったいない。ただ、最近は、数万円程度の在籍料を大学に払うことで、気軽に休学が可能になりました。そして、「ギャップ・イヤー」という横文字効果なのか、大学生の休学のハードルがグッと下りました。NOIZのメンバーが、海外や国内を飛び回り、さまざまな学びに触れ、それを共有してくれると思うと、今後の展開が楽しみでなりません。


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