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201502/26

「妖怪ウォッチ」人気の理由を探るなかで見えた社会問題

NOIZ編集部 荒井翔太


いま、子どもたちの間で絶大な人気を誇り、話題の中心となっている「妖怪ウォッチ」。ゲームやアニメはもちろん、玩具や関連商品でさえ、並ばないと買えないほど。そこで「妖怪ウォッチ」の人気の秘密を知るため、小学校へボランティアという形で関わり、調査することにした。その結果見えてきたこととは?

小学校でのボランティアレポート

「なぜだろう?」から始まった小学校でのボランティア

なぜここまで「妖怪ウォッチ」が人気なのか。その理由を探るため、小学校の先生を目指し、ある小学校で学習補助を行っている友人に、「人気の理由を小学校で調査してみたい」と相談したところ、校長先生に話を通してくれ、調査に協力いただけることになった。はじめは、アンケートに加え、直接小学生に話を聞く程度を想定していたのだが、校長先生は「ボランティアをしてはどうか」と。校長先生曰く、「初対面だと子どもたちは話したいことをうまく話せない」、つまり、ボランティアを通して子どもたちと仲良くなることで、より知りたい情報を引き出せるのではないか、ということらしい。こうして僕は小学校でボランティアをすることになった。

まず小学生たちから最初に受けた印象は、「さまざまな娯楽を抵抗なく自然に楽しんでいる」ということだった。遊び時間に一緒に遊んだり、給食を食べたりするなかで、次第に子どもたちと仲良くなった。そこで、なぜ「妖怪ウォッチ」のゲームやアニメが好きなのか聞いてみたところ、はっきりと答えられる子はほとんどいなかった。

子どもたちが「妖怪ウォッチ」を好きになった理由とは何なのか? 明確な回答が得られないということはつまり、「単に友だちが好きだから好き」という漠然な理由なのだろうと、自分なりに結論付けた。人は年を重ねるごとにさまざまな経験をするが、子どもはそうした経験が少ないが故に、物事を判断するための材料が少ない。そのため、友だちが面白いと思っているものを積極的に消費しようとする。その際、本当に面白いかどうかを自分で判断することはあまりせず、友だちにとって面白いなら、自分にとっても面白いはずだと、自分に言い聞かせているようにも感じた。

思いがけずに得た、将来の仕事に対する新たな視点

はじめは「妖怪ウォッチ」の調査をメインにしていたが、調査を続けていくにつれ、小学生のメディア消費についても見えてきた。子どもたちのゲーム消費は、専用のゲーム機だけでなくスマートフォンでも行われている。いまの時代、親のスマホを使い、パズル&ドラゴンズやモンスターストライクなどのソーシャルゲームを遊んでいる子どもはけっこういるようだ。スマホは親が常に管理しているものであり、課金の心配がなく、基本無料で遊べるため、子どもがスマホで遊ぶことを許す親も多いのではないだろうか。それに伴い、YouTubeやニコニコ動画などの動画共有サイトも利用が多いように感じた。動画共有サイトでは、ゲーム実況や攻略を配信している人たちがいるため、子どもたちはソーシャルゲームの攻略動画見るためにこういったコンテンツを利用している。自分の子どもの頃と比較して、時代によってその時に経験することは異なるという当たり前のことに改めて気づいた。

いまの子どもたちは小さな頃から、さまざまなデジタルメディアに触れている。そして、そうした環境では、「何が正しくて何が間違っているのかを判断する力」がなければ、悪影響になることが問題視されている。しかし、先ほど述べたように、子どもたちには物事の善し悪しを自分で判断するだけの材料が乏しいため、「友だちが好きだから」「友だちがやっているから」という事実こそが、自分が興味を持つ理由となってしまう。そうした状況では「何が正しくて何が間違っているのかを判断する力」を持つことは到底難しいだろう。

僕は将来、ゲームを通して社会に新たな価値をもたらすような仕事をしたいと考えているが、今回のボランティアを通して、今後子どもがどうやって「メディア・リテラシー」を身に付けるべきか、という新たな興味が湧いてきた。これは、親が安心して子どもにゲームを遊ばせることができる社会には不可欠な問題のような気がする。そしていま、ゲームを中心としたコンテンツ制作に携わるうえで考えるべき、新たな視点を得た思いでいっぱいだ。

(レポート/NOIZ編集部 荒井翔太)


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