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201410/10

あなたは今、イノベーターですか、それとも変人ですか?

Social Reading Fes(オープンな読書会)/橋本ゼミ主催


社会に新たな変化をもたらす革新者、私たちは彼らをイノベーターと呼びます。しかし果たして、その定義は正しいのでしょうか。今回、NOIZ編集部は幸運にも、理解を深める機会に恵まれました。大学のゼミ生、社会人、そして外部参加者が混ざりあう、オープンな読書会への参加でたどり着いた、NOIZ編集部が考える「イノベーターって、こんな人」をご紹介します。あなたの理解も、少し変わるかも?

人があつまり、「場」がつくられ、読書の舞台は整った

9月13日土曜日、「学習」×「経営」をテーマに研究を行う、産業能率大学情報マネジメント学部橋本ゼミ主催の「Social Reading Fes(オープンな読書会)」に参加しました。本読書会では、橋本ゼミに所属する学生の皆さんと社会人を含む外部参加者を合わせ、総勢20名が自由が丘キャンパスに集いました。
今回の題材はトニーワグナー著「未来のイノベーターはどう育つのか――子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの-」。本書では、アメリカで活躍する代表的なイノベーターたちが、どのような環境で育ち、誰の影響を受け、現在に至ったかについて、事例ごとに徹底的に調べ上げ、更なる分析を加えた結果が、計300ページにわたり報告されています。橋本先生によると、「今後イノベーターをどう育てていくかという議論が日本でより活発になる」と予想し、本書が選ばれたようです。さらに「アメリカにおけるイノベーター教育のメソッドはそのまま日本でも適用できるのか、そもそも本書のやり方を真似すればイノベーターを生み出すことができるのか」という疑問を、より多くの方と共有し議論をすることが今回の目的の一つでもあったようです。

読書会はワールドカフェ形式で実施され、会場では名札が用意されていたり、袋詰めのお菓子が用意されたりしていました。特別珍しいことで無いと思われるかもしれませんが、後で聞くとこれらの仕掛けは「場づくり」のために凝らされた「こだわり」だったようです。例えば、予め名札が用意されることによって、よそよそしい名詞交換をする必要が無くなり、お菓子が提供されることで、よりリラックスした状態で議論がしやすくなるという効果が期待されます。

当読書会で取り扱ったテーマは以下の5つです。これらのテーマは参加者での多数決のもとで決定しました。

  1. あなたは今イノベーターですか
  2. 型破りな大学教授とは
  3. イノベーターになる必要性
  4. 日常の中で発想力が研ぎすまされる瞬間とは
  5. イノベーターという人は結果を出した人なのか。

これらのテーマについて、2時間半という時間の中で各テーブルにて最終的に3回席を変えながら自由に意見交換をしました。僕は出来るだけ新たなメンバーと議論できるようにと逐一メンバーを確認しながら、1、2、5のテーブルを選択しました。どのテーブルでも共通していたのは そもそも「イノベーター」という言葉をどう解釈するのかということ。これに関してはまさに十人十色の意見があり、非常に白熱した議論が交わされました。特に印象に残ったのは「変人とイノベーターは違うのか」という指摘でした。あるテーブルで議論をする際に「イノベーターと呼ばれる人々に共通していたのは、常人にはない発想を持ち、自ら選んだ道を突き進んだというところにある」 という意見に「なるほど」と思ったのも束の間、どこかから「それっつまり変人ということ?」という発言が飛び出しました。皆さんならイノベーターと変人の違いについてどのように考えますか。もちろん答えは一つと限りませんが、本書や当日の議論を通じて私は今、次のように考えています。

社会に貢献できること、それがすなわちイノベーション

イノベーターとは既存の価値観を脱して新たな発想を生み出すだけでなく、そうした構想を社会に貢献できた人のことを指すのではないでしょうか。すなわちイノベーターと変人の違いとは、社会を基盤としているのか個人主体なのかの違いにあると思います。考えてみれば、何か奇抜なことをやり遂げたとして、それが社会に貢献するものでなければ人々は自身をイノベーターとして認知してはくれません。故スティーブジョブズがイノベーターとして認知されるのは彼の社会に対する貢献度ゆえだと思います
読書会自体は17時に終了したのですが、その後何名かの参加者の方々と夕食をご一緒しました。食事の場でも議論の熱は終始和らぐこと無く、気づけば時計の針は21時を回る頃。読書会の開始が14時であったことを考えると、約7時間にも渡り議論し続けたことになりますね。最後は喉も枯れて声が出ませんでした。

多方面から人が集まりました(写真は橋本先生のブログからお借りしています。)

あなたは、自分のビジョンに正直であり続けられますか?

最後に本書で印象に残った一節をひとつ。「君は、自分のビジョンに正直であり続けること、そして何であれ自分の情熱を根気強く追いかけること」(本書301ページ4行目)。これは本書の末尾で筆者が直接、次世代のイノベーターとなる若者(気持ちだけは若者の人も含む)に向けた書いたメッセージです。筆者はイノベーターとして成長していく上で自分の気持ちに素直になることの大切さを説いています。心打たれる一節に出会えることは読書の醍醐味の一つですが、読書会ではその感動や興奮をより多くの人と共有することができます。雑誌や新聞を題材に個人で読書会を開催されている社会人の方は少なくないようなので、またお気に入りの題材を見つけて参加したいと感じました。

橋本ゼミでは今回ご紹介した読書会以外でも、数々の催し物を不定期で開催しているようで、基本的にどなたでも参加が可能なようです。Facebookページもありますので、気になる方はぜひ覗いてみてください。

橋本研究所Facebookページ

(文 NOIZ学生編集長 小松崎欽一)

編集部より

読書を通して得られる知識と、人と出会って得られる知識は似ているようで異なる。読書会の良さは、そのどちらも体験できることであり、読書会でないと得られない発見がそこにある。「イノベーター」の定義は人の数だけありますが、NOIZ学生編集者はこの機会によって、イノベーターを少し身近な存在にすることができたようです。

インターネットで検索をすれば、オープンな読書会はいくらでも見つかります。学生の皆さん、座学も良いけど、たまには喉をからして語らう時間を過ごしてみてはいかがでしょうか? イノベーターが案外近くに見つかったりして、素敵な出会いがあるかもしれません。


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