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201412/02

日本人だって日本のことをよく知らない。

家中留学 × NOIZ


日本が均質な社会だというのは、もはや昔の話。ひとたび都心を歩いてみると、街の中にはさまざまな言語が飛び交っています。能動的に動けば、「留学=海外」なんて考えも吹き飛ぶぐらい、日本にも海外の人と交流する場が多く見つかります。
そんな国際交流の場で求められるのは、日本人としての立場。あなたは、日本を正しく伝えることができますか。身近だからこそ見えない部分って、たくさんあるみたいです。

9月23日、まだ暑さの残る火曜日の夜。本気で英語力を伸ばしたい日本人と、日本語力を伸ばしたい英語話者が入居するシェアハウス、「家中留学」にて行われた、”Discussion ~ out of Japanese class room ~(放課後のディスカッション~それは違うぞ、外国人!)”に参加しました。ディスカッションには、NOIZ編集部から学生6名、「家中留学」の拠点 「Lang boat kanda」に住む海外参加者6名、それにオーディエンスを含めた約20名が集いました。

ディスカッションは海外参加者が日頃感じている、日本に対しての疑問を、日本人学生が回答するという形式で進められました。英語で日本を伝えること――大学の授業でも似た経験はありますが、私にとって、外国人を相手にするのは初めてです。多少言葉が足りなくとも、同じ日本人であれば、意図を汲み取ってくれるのでは、なんて淡い期待は抱けません。なぜなら、今回の相手はジャパニーズではないのです。英語力はもちろんのこと、歴史的・統計的に裏づけされたデータまで駆使したコミュニ ケーションが試されます。これは、日本語ネイティブの私にとって、大きなチャレンジでした。例えば、「なぜ日本人は目をあわさないのか」という問いに対して「日本人はシャイだから」という答えでは乗り切ることはできません。

なぜだと思いますか?

「では、なぜ日本人はシャイなのか」と聞かれたときにお手上げとなってしまうからです。私たちは時代をさかのぼり、歴史的背景を考慮に入れつつ、なぜ「日本人はシャイ」となってしまったのかを追求する必要がありました。

これって個人としての意見? それとも日本人として?

英語での議論、そして日本語での議論と、2部構成で進められた今回のディスカッション。扱ったテーマは、以下の通りです。全てのテーマは、参加者の興味に基づいて決定しました。

第一部 電車の中での行動に関して(英語)

  • なぜ日本人は電車の中で眠ることができるのか
  • なぜ電車のなかで歩きまわるのか
  • 痴漢と冤罪について

 第二部 フリーディスカッション(日本語)

  • 日本人大学生の学業態度について
  • 大学と専門学校の違いは
  • 少子高齢化の悪影響について
  • 日本に対するステレオタイプ
  • 日本の高校生

こ れらのテーマについて、1部、2部ともに40分間ずつ意見を交換しました。ディスカッションは、参加者のみならずオーディエンスからもアイデアが飛び出し、だんだん熱を帯びて行きます。私も勢いのあまりに声を出した瞬間、思わず英単語を忘れてしまうことも多々ありました。しかし、入念な下調べのおかげもあって、自分が主張することに自信はありました。やはり、主観的な考えだけよりも、その考えを裏付ける論拠があると、相手は納得しやすいようです。それは相手の表情からも読み取れました。

日常会話において、わざわざ事前調査をした挙句、海外参加者の疑問に答えてあげるのは難しいことかもしれません。しかし彼らの目には、私たちは日本人の代表として映ることがしばしばあるのです。親切心から適当に放った一言は、今後の彼らの日本に対するイメージに、大きな影響を与えることもあります。

「そう考えると、少し恐ろしいな」と、帰りの電車でたまたま座った向かいの席で、書籍に視線を落とす外国人を眺めながら思いました。今後、自分の答えに自信がないときは、素直に「分からない」と逃げてみるのも、答えとしては、アリなのかもしれません。

日本で生活している限り、日本になじんだシステムや日本に根付く文化に、疑問を感じることはあまり多くはありません。これまで何度も電車に乗っているのに、 「なぜ日本人は電車で寝られるのか」と、考えたことがあったでしょうか。生活に根付いた文化は、知らずのうちに、私たちと一体化しているのでしょう。

彼らに「それは、違うぞ」と教えてあげることで、自国を再認識するきっかけとなるだけでなく、そこから日本を客観的に眺めるためのヒントも得ることができます。

国際交流の場では、自分の意見を臆せず相手に向き合った上で始めて、同じディスカッションの場に立つ事が出来るのです。

(文 NOIZ学生編集部 飯田夕紀子)


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